こころコンサル
  • ホーム
  • はじめに
  • ブログ
  • お問い合せ
  • プライバシーポリシー
  • こころの動画

こころのインタビュー_千葉翔太さん

こころのインタビュー_千葉翔太さん

こころのインタビュー第2回目は、星槎国際高等学校で進路指導部長をされている千葉翔太さんです。

多方面で活躍されている千葉さんから、若年層が抱える課題とその支援から見えてくるこころのケアのお話を聞かせて頂きました。

先ほど学校を案内して頂きましたが、生徒さんがとても生き生きとしていると感じました。

千葉さん:星槎国際高等学校は通学型通信制高校です。

関わり合いを最も重要視していて、他の通信制高校とは違うスタイルでやっています。

従来の通信制高校は、年間に何回か決まったスクーリングを受けて、それ以外は特に何にもありませんが、星槎の場合は、それ以外にいわゆる「高校生らしい学校生活」を用意していて、普通に学校に通って意識せず単位取得も出来るようになっています。

星槎の仕組みですごく良いなと思うところは、仙台の校舎でスクーリングが受けられ、本来必要な授業時数よりかなり多くの時数を用意しているため、なんらかの理由で長く休んでしまっても卒業に影響が出ないような形にできている所です。

全ての授業はオンラインで同時配信しているので、例えば「今日ちょっと調子が悪いからオンラインで受けよう」とか生徒が選択することが出来ます。

「メンタルが不安定で今日は学校に足が向かないなぁ」という時でも、学校で何が起きているのかを把握することが出来るので、生徒にとって安心感があります。

 

生徒自身が自由に選択することができるんですね。

千葉さん:はい、自由ですね。

星槎グループでは設立当初から変わらない3つのルールがあります。

「人を認める」「人を排除しない」「仲間を作る」

ここには勉強頑張れとか、学校休むなとか、みんなと同じになれとか一切書いてないんです。

大事なのは人を認めること、人を認めるっていうのは、自分を認めるということも入るんですが、絶対にどんな人も排除しない、仲間を作ってみんなでやろうね、という関わり合いっていうのを昔からずっと大事にしてきました。

「共に生きること、共生社会をつくること」ということを掲げて、星槎大学では共生科学部という学部を設けています。

 

なるほど、共生するということは生き方を考える事でもありますよね。

千葉さん:個人的に、今の世の中は「正しく生きなきゃいけない」、無駄のない生き方を選択すべき、そういう事をすごく求められてるなと感じています。

やるからには何か価値を生み出さなきゃいけないとか、生きてるなら誰かのためにならなきゃいけないみたいな、そういう圧が強くなってきたんじゃないかなと。

昔は今と比べて情報が入ってこないこともあり、他人の事を気にせずにもっと自由に生きていけていたかもしれません。

ところが、今は情報がすごく行き交うから、他人の目がどうしても気になってしまう。

もっと自由に生きればいいのに…。本来生きることになんの条件もないと思うんですよ。

 

ネットからたくさんの情報が簡単に手に入るだけに生徒さんは不安も多いでしょうね。

千葉さん:そうですね、子どもたちはすごくたくさんの不安があると思います。

情報がいっぱい入ってくる中で、その情報をうまく選べる子は、自分の役に立つ情報をしっかり取り入れて、余計なものは見ないっていう事が出来ます。

でも、その辺の選択が苦手な子たちは、情報に一喜一憂して悩んだり、苦しんだり、ちょっと元気になったり、また悩んだりっていうのを繰り返しながら過ごしています。

ただ若いうちは長い目線で人生を考えるのは難しいですよね。

「今をどう生きるか」が中心にあって、先を考えるにしても卒業後どうするか?ぐらいのとこまでが、みんなの悩み事のメインになっている感じですね。

正直なところ、「何十年も先のことを考えてもしょうがない」って思ってる子も多いかもしれないですね。

 

なかなか自分の将来を想像できませんよね。

千葉さん:時代の変化が激しいってことを子どもたちも感じていますから。

だって、年々新しい何かが出てきて、例えば今で言うとAIもすごいじゃないですか。

少し前であれば考えられなかった事、当たり前だった事が変わっていく今の時代で、それこそ10年後どうなってるか全然わからないよ、という事を子どもたちにも話しています。

学ぶことは変わっていくし、その時代時代で正解も変わっていく。

だから、たとえ今正解を選んだとしても、それが10年後、20年後の正解なのかと言うと、違う可能性も高いわけですよね。

だからこそ、その時その時でやるべきことを自分で判断して、選択することが大切だよ、選択できるようになるために学ぶんだよ、という教育方針をもって、自分たちで選ぶ練習、選べるチャンスをたくさん用意しています。

 

最初の方でもお話されましたが、「選択する」という行動が大切になるという事ですね。

千葉さん:はい、自分の意志で選択するという事が大切です。

学生のうちに特に大事なのは「失敗しても取り返せる」「何とかなる」という感覚を持てる事だと思うので。

たとえば星槎の授業はたくさんの種類を用意していて、8割が選択授業です。

自分で選んで授業に出てみて、つまらない、自分に合っていないと感じたら違う授業を選択することができる。

自分で考えて選んで、時には失敗して、また最善と思うものを選ぶ。

すると1年生は勉強よりも楽しい授業、音楽とかスポーツとか、ゲームの授業とかを選択する子が多いのですが、勉強を疎かにしているとテストやレポート提出が苦しくなり、「もう少し勉強しようかな」と考える子が増えます。

2、3年生になると自然と勉強の授業を多く取るようになるんです。

そうやって、生徒自身が「自分で経験する学び」に繋がっていると思います。

 

こころコンサルは企業で働く人たちに向けたメンタルケアサービスなんですが、メンタルケアについて日頃感じている事はありますか?

千葉さん:メンタルケアについては、私は本人に対するサポートだけでは限界があると思っています。

本人だけではなく、その方が居る職場内の環境調整が必須だと思っています。

本人が辛いって思う前に、もしくは辛いと思っている本人を助けるだけじゃなく、辛いと思わせない環境を作る事がすごく大事なことだと思っているんです。 

 

私たちも企業が従業員をケアしないといけないと考えています。

千葉さん:今の時代、従業員を大事にできない企業には人が入ってこないし定着しません。

そういう企業は自然に選ばれなくなって行くと思います。

少子化で若者はどんどん減っていく、労働人口が少なくなっていくので、やがて従業員がいなくなるかもしれません。

特に今の若者たちは、新しい仕組みの中で育ってきているので、昔かたぎの会社、世の中は厳しいんだぞ、みたいな会社をそもそも求めていません。

私はキャリアコンサルタントの仕事もしていますが、よく話題になる話に、昔は好きなことを仕事にしたいって言ったら、「そんな甘いもんじゃない」「好きなことやって稼げる人なんて、一握りだ」と、仕事ってそういうものだと教えられたんですが、今は逆なんです。

今は「好きなことを仕事にしたい、それはとても素晴らしい事だ」「毎日嫌々働いて結果を出せるわけない」、そういう感覚の若者が増えています。

実際本当に好きなことで生きていってる人も増えてますし色々な働き方が出ています。

でも、その感覚が分からない、分かろうとしない大人たちは、自分たちは我慢して苦しい思いして働いてきたのに、そんな甘いことばかり言って、と思っているんですよ。

1回しかない人生なんだからもっと好きに働いて人生を大事にしたらって思います。

 

考え方を変えないでいると、自分で「生き難くしている」という事にもなりますよね。

千葉さん:ひとりでなんでもかんでもやるのは無理がありますし、人は誰でも苦手があるじゃないですか。

苦手なものを穴埋めしてなんとかしようって思っても、やっぱり難しいですよね。

自分ひとりで苦手を克服しようとがんばって、無理して疲弊して、それこそメンタルに影響を及ぼすことだってあります。

人は誰でも苦手なものがあります。

苦手なところを補ってくれる、サポートしてくれる仲間だったり、そういう場みたいなものが必要だと思います。

その中で、自分の得意なところで誰かの役に立てばいいなって思うので、やっぱりその支え合える仲間や場をどうやって作るのか、というのがすごく大事だと考えています。

完璧にはなれないですし、なろうとして苦しくなってる人たちがすごくたくさんいると思うので、完璧じゃなくていいんだよって本当に思います。

 

そういうことを理解してくれる社会になれたらいいですよね。
最後に、千葉さんが設立した一般社団法人アイルについて教えて下さい。

千葉さん:若者の伴走支援、サードプレイス作りを目的に今年2月に設立しました。

若年無業者が私のメインテーマなんですが、若年無業者というのは15歳から39歳までの、学校に通っていない、仕事や家事をしていない人たちのことで、全国に75万人もいるんです。

今働いてなくて家に引きこもってたりとか、どうしたらいいかわからない、特にやることがない人たち、そういう人たちがものすごくたくさんいるんだけど、じゃあ、どうやって社会に出て行くのかっていうのが課題になります。

若年無業者をサポートする公的なものもあるんですが、当事者がなかなかたどり着けない・うまく利用できない現状もあります。

そういった人たちに寄り添って、一緒に活動していく場を作っています。

私は教育に長く関わってきましたが、学生を送り出して終わりではなくて、ずっと関わり続けられる場、困ったら相談できて、元気な時は支える側として関われる、そんな場が欲しいなと思っていました。

まずは社会人サークル、サードプレイスとして作って行きたいですね。

誰もが「自分の意志で、自分なりのやり方で、お互いを認め合いながら」働ける、もっと生きやすい世の中を作れたらいいなと思います。

 

Proflie
千葉 翔太(ちば しょうた)

☆現職(2023年4月時点)
▫︎学校法人国際学園 星槎大学
 総合学修・就職支援センター(SACSセンタ―)就職支援室委員、カウンセラー
 学校臨床講師
 客員研究員
▫︎学校法人国際学園 星槎国際高等学校
 総合キャリア支援センター
 進路指導部長 兼 DX推進部長
▫︎文部科学省緊急派遣カウンセラー(福島県南相馬市)
▫︎一般社団法人アイル 代表理事

☆資格
▫︎教員免許(中高理科、高校農業、特別支援)
▫︎国家資格キャリアコンサルタント
▫︎学校心理士
▫︎中級支援教育カウンセラー
▫︎健康ゲーム指導士 
▫︎社会教育主事  ほか

前の記事あがり症を改善するために

最近の投稿

こころのインタビュー_千葉翔太さん2023年3月24日
あがり症を改善するために2023年1月10日
こころのインタビュー_高橋吏佳さん2022年12月24日

カテゴリー

  • インタビュー
  • こころのイロハ
  • セルフケア

 

Copyright © 2020-2023 CarolSystemSendai co.,Ltd. All Rights Reserved.

プライバシーポリシー