不安はあっていい
こんにちは。
心のセルフケア協会、心理セラピストの加藤です。
今年は例年になく雪が降り、寒い冬でした。
ようやく温かい春の日差しを感じています。
春から、生活の中で社会人の仲間入りや職場の移動など環境の変化にともない期待と、不安が入り混じっている方。
また社会情勢においては続く新型コロナウイルス、ウクライナのロシア侵攻、地震災害と想像を遥かに超えた出来事に強い不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
不安を感じている時、私たちの中で一体何が起きているのか、またその対処法なども合わせてご紹介いたします。
【不安はあっていい】
不安とは、
高所恐怖症などのように対象となるものが特定されている場合を恐怖といい、それ以外の対象がハッキリしていないものを不安とよびます。
実はこの不安、生物にとって危険な状況から生き延びるために自然に起こる防衛反応であり必要なものなのです。
例えば、東日本大震災のような大きな地震を経験された方なら、些細な地震や、揺れを感じている最中にまたあの時のようになるのではないかと徐々に不安が大きくなっていくかもしれません。
「不安」の内容は命に直結することから、日常的なことまで人それぞれの経験や状況によって反応も大きく違ってきます。
不安が起きるのは危険を回避し、安全を維持するためです。
問題になってしまうのはその時、思考が過剰に働くことで不安を膨らませてしまうことです。
ああなったらまずい。
そうならないように、ああしようなどと頭の中が忙しくなっていませんか。
そんな時は、思考を休めて不安の中身を覗いてみましょう。
今ある 自分の気持ちに気づくことで大丈夫感を取戻していきます。
【今、ここに意識を向ける】
不安に駆られているときの思考は今ここにいることをそっちのけで、過去や未来に思いをはせてしまいがちです。
そして、あれこれと妄想を膨らませ心身を疲弊してしまうのです。
そんな時の対処法は、次の2点のことに意識をむけて一旦思考をストップさせましょう。
・身体に意識を向ける
・思考に気づき共感する
① まず、その不安なことを思うと身体のどの辺りにその感覚を感じるか意識を向けてみます。
例えば地震で大きな揺れを感じた時、地震の揺れを感じて動悸が早くなったら心臓の辺りに手を添えて、鼓動を感じながら深呼吸。
動悸が落ち着くまでしばらくゆっくり続けてみます。
② 身体が落ち着いてきたら、今度は思考に意識を向けてみます。
「揺れが大きかったね。長くて怖かったね。あれで済んで良かったね」など自分の思いに寄り添い共感していきます。
「自分は被害がなかったのだから、これくらいは我慢しないと」など抑圧する思いがあっても「そんな思いもあるよね」とシンプルに気持ちを受け入れてみてください。
少し気持ちが軽くなってきたら自分のいる部屋を見回し、3点くらいの物に目に止めて今いる場所は、安全で大丈夫なことを確認します。
・今、それは起こっていない
・今、危険はないということ
・今は大丈夫なこと
に気づいてみてください。
安全なことを確認すると、緊張がゆるみもっと深い呼吸をしたい、身体を軽く動かしたいなどエネルギーを解放したいような反応があるかもしれません。
ぜひ、身体の声に応えてその通りにしてみましょう。
ポイントは、その不安を思い浮かべた時、内側に意識を向けて体感、思いが「ある」ことに気づき寄り添うことです。
不安がでてきたら、繰り返しやってみてください。
出来る範囲で大丈夫です。
ひとつ、ひとつゆっくり丁寧にすることで安心感を増やしてみましょう。
また、一人で抱え込まずに、人とつながり共感することも安心感を取戻す効果的な方法です。
体感・思いに気づき自分の声を訊いていくようなことを意識して自分自身を労ってあげましょう。
【心と身体のバランスをとる】
最後に、私たち現代人は、昔の人たちと比べると身体を動かすことも少なくなり情報はスマホからというような思考優位になりがちな生活を送っています。
しかし、浮かんでは消えていく思考は正解でも不正解でも真実でさえありません。
不安の大きい方ほど、いつの間にかそれが本当のことのように錯覚し囚われがちになり混乱していきます。
そんなときほど、ほっと一息つくことが大切です。
いつもより身体を意識して動かし、思考のループをリセット。
自然を眺める、
散歩する、
何か作ってみる、
好きなモノを味わって食べる、
温かい飲み物を飲む、
面白い動画をみて和む、など
五感を使って気分転換になることをしてみて下さい。
自分にやさしく、心に平和をひろげて春を楽しみましょう。
寄稿:加藤 直美
心理カウンセラー、セラピスト
ブログ:心とカラダでひとつのわたし